履歴書 趣味欄の書き方

履歴書で何を書けば良いか迷うのが趣味の欄です。趣味欄に何を書けば良いかわからない人は意外と多いものです。そんな履歴書の趣味欄の書き方について説明します。

履歴書に趣味を書く意味

履歴書には氏名、連絡先、学歴、職歴、資格、自己PR、志望動機などを記載する欄がありますが、採用担当者は履歴書に書かれた情報から、「募集している仕事ができそうなのか」、「会社や仕事への意欲がありそうか」、「経営者や社員とうまくやっていけそうか」などを主にチェックしています。採用担当者からすると、趣味に書いてあることを読んで、これらの項目をイメージすることは難しいため、採用担当者が履歴書の「趣味」を重視していることはあまりありません。もちろん、あまり見たことがない趣味や内容がユニークな趣味が書いてあると、採用担当者は面接で質問したくなりますが、それは面接官の好奇心によることが多く、それが合否につながることはほとんどないというのが多くの採用担当者の感覚でしょう。ですので、趣味をどう書こうかと悩んでいる方もご安心ください。まずは、履歴書の趣味でマイナスにならないことを書いていれば、趣味の欄はOKですので、趣味のNG例がどんなものであるかを説明します。

履歴書の趣味のNG例

  • ギャンブル
  • パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、競艇など、ギャンブル系の趣味は、入社してからの金銭トラブルや家庭内トラブルを彷彿させ、採用するリスクを相手に感じさせるため、志望企業と関連がない場合には、履歴書の「趣味」に記載しない方が良いでしょう。

  • 危険または犯罪を連想させる趣味
  • 銃収集やハッキングなどの犯罪を連想させる趣味や、お酒の一気飲み、徹夜で麻雀などの不健康や危険さをイメージさせる趣味は、会社側に採用のリスクを感じさせるため、履歴書の「趣味」に記載しない方が良いでしょう。

  • オタク系
  • アイドルの追っかけ、アニメ、コスプレ、ゲームなどに代表されるオタク系の趣味は、一昔前と比べると、市民権を得てきていますが、まだまだ嫌悪感やマイナスのイメージを抱く人が少なからずいるため、敢えて履歴書の「趣味」に記載しない方が良いでしょう。

  • 趣味なし
  • 履歴書は面接に進むためのPRシートともいえるわけですが、PRシートで用意されているスペースに「なし」と記載するのは、志望企業に対する意欲や思いがないように見えますので、特に趣味といえるようなものがなかったとしても、仕事を関連するものや、あなたの人間性を感じさせるようなものを記載するようにしましょう。

履歴書でPRにつながる趣味とは?

履歴書の「趣味」を重視する採用担当者は少ないため、まずは趣味でマイナスとならないようにすることが大切ですが、「読書」や「音楽鑑賞」、「映画鑑賞」など、無難な趣味を記載しても、マイナスにはならないものの、志望企業へのPRにはつながりません。履歴書は面接に進むためのPRシートともいえるため、履歴書の「趣味」には、履歴書の趣味以外の項目(学歴、職歴、資格・免許、自由記載欄など)でPRできていないあなたの「PRポイント」や「強み」を記載することは選考を通過する上で非常に大切です。PRや強みと言われると、「そんなものはない」と思われますが、そんなに難しく考える必要はありません。採用担当者は主に「募集している仕事ができそうなのか」、「会社や仕事への意欲があるのか」、「経営者や社員とうまくやっていけそうなのか」を知りたいので、それらを少しでもイメージさせる趣味が良い「PR」であり、あなたの志望企業への「強み」となります。一例として、PRにつながる趣味を下にあげます。

  • 仕事に関連する趣味
  • 語学(英語、中国語など)、パソコンスキル、プログラミング言語やネットワークに関する知識やスキル、「CAD」「Dreamweaver」「Photoshop」「Illustrator」 など専門ソフトに関する知識やスキル、特定の業界や地域に関する人脈や知識、その他の業務や業界の知識など

  • これまでの努力や評価が伝わる趣味
  • 都道府県大会でベスト4に入った、国体に出場した、選抜に選ばれた、○○賞を受賞した、表彰された、所属していたグループで部長や代表をしていた、自分が主催しているものなど

  • 人柄をイメージしやすい趣味
  • “登山やマラソン(粘り強さや、コツコツと地道に努力できることがイメージできる)
    茶道・華道・剣道・乗馬など(マナーや立ち振る舞いの良さや教養を感じさせる)”

  • ユニークな趣味
  • セパタクローやカバディ、インディアカ、アルティメット、近代五種など、あまり馴染みのない趣味が書いてあると、話を聞いてみたくなることがあります。ただし、その趣味がどういうもので、なぜその趣味をしようと思ったのかを聞くことで、採用担当者はあなたのコミュニケーション能力や考え方、価値観をチェックしようとしているので、それらをしっかりと話せるようにしておくことが大切です。ただ単に一般的でないことを書いて、企業からの関心を引こうとするのは避けましょう。

  • ギャップのある趣味
  • 例えば、大人しそうな写真の印象の人がR&Bのダンスをしている、お嬢様系の大学出身者がヘビメタバンドの活動をしているなど、写真や学歴・経歴のイメージと、履歴書の趣味に書いていることにギャップがあると、人事担当者は興味を持ち、面接で質問をしたくなります。

履歴書の趣味のポイント

それでは履歴書の趣味についてポイントをまとめてみます。

  1. ギャンブルや危険な趣味など、企業にリスクやマイナスイメージを連想させるものは書かない
  2. 履歴書の趣味は、趣味という言葉に縛られ過ぎずに、自分のPRスペースと理解する
  3. 履歴書の趣味には、応募する仕事や企業に関連していることを書く
  4. 3に該当するものが特になければ、履歴書の学歴、職歴、資格・免許、自由記載欄などでPRできていないものを書く
  5. 3~4に該当するものが特になければ、昔から継続してやっていることなど、あなたの人柄や性格がにじみ出やすいことを書く

上記の1~5を意識して、どのようなことを履歴書の趣味に書くかを検討してみましょう。応募する仕事や企業を意識して趣味が書ければベストですが、それが難しい場合は趣味以外のスペースでPRできていないことや、昔から継続してやっている趣味などにあなたの人柄や性格がにじみでやすいため、ずっとやっていることを趣味に書いてみましょう。
それでも書くことが見つからないという方は、趣味の欄がない履歴書もありますので、インターネットや、コンビニエンスストア、本屋さんなどで探してみましょう。JIS規格に沿った履歴書であれば、特に問題はありませんので、自分が書きやすくて、PRにつながりやすい履歴書のフォーマットを選ぶようにしましょう。

趣味の書き方のポイント

趣味を書く際には下記のことを意識して記載してみましょう。

  1. 文章よりも箇条書きで
  2. 文章で長々と書いてあるよりも、箇条書きで書く方が文章の構成を考える必要がなくて簡単ですし、箇条書きのほうが採用担当者も読みやすいため、印象に残りやすくなります。

  3. できるだけ具体的に書く
  4. 例えば、趣味が「読書」であれば、あなたがどんな本をどれくらいのペースで読んでいるのか、初対面の採用担当者がイメージできるように、できるだけジャンルなどのカテゴリーを記載し、週に○冊などの数字を入れることで、イメージできるようにします。また、趣味が「音楽鑑賞」や「映画鑑賞」、「スポーツ観戦」の場合も同じです。音楽や映画、スポーツなどのざっくりした言葉ではなく、音楽鑑賞なら「クラシック鑑賞」、映画鑑賞なら「邦画のアクション映画鑑賞」、スポーツ観戦なら「MLBの観戦(ボストンレッドソックスのファン)」というように、より具体的に書いて、初対面の採用担当者がよりイメージできるように書きます。さらに、どれくらい頻度でその趣味に取り組んでいるのかまでが記載されていると、よりイメージがしやすくなり、興味が持ちやすくなります。

  5. スペースがあれば、なぜその趣味をしようと思ったのか、理由を書く
  6. スペースがなければ仕方がありませんが、採用担当者はあなたの趣味に興味があるというより、なぜその趣味に取り組んだのかを聞くことで、あなたの考え方や価値観を知りたいため、なぜその趣味に取り組んだのか、面接でしっかり話せるように振り返っておきましょう。
    仮に、その趣味に取り組んだ理由が、兄弟や姉妹がやっていたからなど、「特別な理由なんかない」と思われる場合は、以下のように考えてみましょう。
    「確かに兄弟や姉妹がやっていたということはあるけど、じゃあ今までに兄弟や姉妹がやっていたことは、全部やってきたのかな?」
    答えがYESではないなら、次の質問を自分にしてみましょう。
    「じゃあ、今回の趣味はなぜやろうと思ったのだろう?」
    そして「他のことはあまり続けることができなかったのに、なぜその趣味は続けることができたのだろう?」
    そうすると、「そういえば、○○な部分が面白かったから」とか、「他のことと比べて、比較的スムーズにできたから」などの理由が出てきますので、その理由を履歴書に書いておく、もしくは、面接で聞かれた際に言えるようにしておきましょう。